ILLNESS KNOWLEDGE / 病気知識
小児科に関連する病気・疾患を解説していきます。
麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスによって引き起こされる非常に感染力の強いウイルス性疾患です。
主に幼児に見られますが、ワクチン接種を受けていない成人や免疫が低下している人も感染する可能性があります。麻疹は、重篤な合併症を引き起こすことがあり、世界的には子供の主要な死因の一つとなっていることもあります。
麻疹の特徴
主な症状: 麻疹の症状は、感染から約10~12日の潜伏期間を経て現れます。以下のような段階的な症状が特徴です。
- 初期症状(カタル期):
- 発熱: 38°C~40°Cの高熱が出ます。
- 咳、鼻水、結膜炎: 強い咳、鼻水、目の充血が見られ、風邪のような症状が現れます。
- コプリック斑(はん): 口の中の頬の内側に白い小さな斑点が現れることがあり、これが麻疹の特異的な兆候です。
- 発疹期:
- 発疹の出現: 高熱が続いた後、顔から始まり、全身に広がる赤い発疹が現れます。発疹は融合して大きな斑点になることもあります。
- 強い倦怠感と体の痛み: 発疹とともに強い倦怠感や体の痛みが伴います。
- 回復期:
- 発疹が消退: 発疹は約1週間かけて徐々に消えていきますが、色素沈着(茶色の斑点)として残ることがあります。
- 発熱の解熱: 発疹が出てから数日後に熱が下がります。
感染経路: 麻疹は、空気感染(飛沫感染やエアロゾル感染)によって広がります。感染者が咳やくしゃみをした際に放出されるウイルスを含む飛沫や空気を他者が吸い込むことで感染します。また、ウイルスは環境中で長時間生存できるため、感染者が去った後でもウイルスに触れることで感染する可能性があります。
治療: 麻疹に対する特効薬はなく、症状を和らげるための対症療法が中心となります。
- 解熱剤や鎮痛剤: 発熱や痛みを和らげるために使用されますが、子供にはアスピリンを避けることが推奨されます(ライ症候群のリスクがあるため)。
- 水分補給と安静: 十分な水分補給と休養が重要です。
- ビタミンA補給: ビタミンAの欠乏が見られる地域では、ビタミンAの補給が麻疹の重症化を防ぐことがあるとされています。
予防: 麻疹は、予防接種(麻疹ワクチン)によって予防可能です。麻疹ワクチンは、通常、麻疹・風疹・おたふくかぜの三種混合ワクチン(MMRワクチン)として接種されます。ワクチン接種により、麻疹の発症を防ぐだけでなく、集団免疫を通じて流行の拡大を防ぐ効果があります。
合併症: 麻疹は重篤な合併症を引き起こすことがあり、特に以下のようなものが見られます。
- 中耳炎: 耳の感染症が起こりやすくなります。
- 肺炎: 麻疹に伴う肺炎は、死亡の主要な原因となります。
- 脳炎: 麻疹後に脳炎を発症することがあり、重篤な神経障害や死に至ることがあります。
- 亜急性硬化性全脳炎(SSPE): 麻疹感染後、数年経ってから発症する稀な合併症で、致命的な進行性の脳炎です。
麻疹は予防可能な感染症であり、適切なワクチン接種が非常に重要です。麻疹が疑われる症状が現れた場合は、早急に医療機関で診断を受けることが推奨されます。
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